■猫と暮らす100のアイデア CAT network
■すばらしいメインクーンの子猫とめぐり合うために
MCBFA 「How to Find a Maine Coon Kitten
Cat Moody/Stormwatch Maine Coon
より−翻訳:Hiroko



子猫を見つける

子猫をさがす時に、最初に思いつくのはペットショップですが、これはお薦めできません。
ペットショップでは、子猫が生まれてからどのような環境で育ってきたのかがわかりませんし、子猫の親を見ることもできません。
大人の猫がいないので、子猫が大きくなった姿を知ることも不可能です。
また、良心的なブリーダーは、猫のブリーダーであれ犬のブリーダーであれ、自分の繁殖した動物をペットショップに販売することはありません。
しかも、ペットショップの値段は、ブリーダーから購入する価格より高いことがほとんどです。

次に考えられるのが、メインクーンのブリーダーから直接購入する方法ですが、これにも注意が必要です。
ブリーダーには、責任感をもって猫の繁殖・管理をおこなう「信頼できるブリーダー」と、いわゆる「ブリーダーもどき(back-yard breeder)」があるからです。
「ブリーダーもどき」の人たちは、ブリードのスタンダードから外れたペット・タイプの猫(その多くはペットショップから購入した猫)を使って繁殖をおこない、自分の猫に愛情を注いで育てていることもありますが、生まれた子猫の血統登録をする、猫をショーに出す、他のブリーダーと情報を交換するなど、ブリーダーとして必要な活動をおこなっていません。
また、猫の病気・健康について学ぶ、ブリードのスタンダードに合った猫を作り出す、子猫の社会化に気をくばる、といった努力もおこなわない場合がほとんどです。
この結果、メインクーンらしい姿かたちをしていない子猫や、遺伝的な健康問題を抱えている可能性のあるような子猫が繁殖される危険が生まれます。
しかも、このようなブリーダーの子猫が、必ずしも信頼できるブリーダーの猫より安いとも限りません。
信頼できるブリーダーを見つけるためには、下記の

「ブリーダーの家を訪問する」
「ブリーダーに聞くべき質問事項」

を参考にして下さい。
子猫をさがす際には、地元のキャット・ショーを覗いてみることを一番お薦めします。
ショーで子猫が見られるわけではありませんが、まず信頼できるブリーダーに出会うことが重要だからです。

キャット・ショーがいつ、どこで開催されるかは、猫の雑誌(「キャッツ」など)を見る、もしくはキャット・ショー主催団体(日本ではCFAとTICAの2つがあります)に問い合わせればわかります。
(訳注: ショースケジュールでもショーの予定を知ることができます。)
また、猫の雑誌に載っているブリーダーの広告を参考にするのもいいでしょう。
但し、広告を出しているブリーダーがすべて信頼できるブリーダーとは限りませんから、実際にブリーダーと連絡をとって、色々と話を聞いてみることが肝心です。


メインクーンの子猫の値段はどのぐらいか

子猫の価格は、場所やまたその猫のタイプ(ショー・タイプかペット・タイプ)によって違ってきます。
ニューヨーク近辺で、ペット・タイプの子猫なら、おおよそ4.4万円から11万円ぐらいが標準でしょう。

ペット・タイプといっても、決して劣った子猫と言う意味ではありません。
むしろ、ショーに出したり、繁殖が目的ではなく、家族の一員として迎えるのならば、ペット・タイプの猫をお薦めします。

ショー・タイプの猫を多く出すことで有名なブリーダーの場合、ショー・タイプの子猫については、生まれる前から他のブリーダーの予約が入っている場合がほとんどで、長い待ちリストができていることも珍しくありません。

ただし、あなたが問い合わせたブリーダーが「うちの猫はみんな最高のショー・タイプばかりです」と言うようならば、注意が必要です。
気後れせずに、ブリーダーにショー・タイプとペット・タイプがどう違うのか尋ねてみてください。
いかにそのブリードのスタンダードに近いかが判断基準となるので、子猫の大きさや性格などはタイプには関係ありません。

ショー・タイプとペット・タイプの差はほんのわずかで、尻尾がちょっと短すぎるとか、わずかに尻尾が曲がっている、胸に小さな白斑がある、目と目がわずかに離れすぎている(近すぎる)、など熟練したブリーダーでなければ気づかないような違いです。

ブリーダーでも、ショー・タイプかペット・タイプかの判断はいつも迷うことで、あとになって「やっぱりあの猫はショー・タイプだった」と後悔することもままあるのです。


どうして子猫の値段はこんなに高いのか

これは、誰しも疑問に思うものの、なかなか面と向かっては聞きにくい質問でしょう。
ブリーダーもどきやペットショップが、子猫を販売して利益を得ているのに比べて、きちんとした方法で責任ある繁殖をおこなうブリーダーは、コストがカバーできたらいい方で、赤字になることがほとんどです。
つまり、猫の繁殖はとてもお金のかかる趣味で、猫が好きだからこそできるのです。
子猫1頭がそんな値段で売れるのなら、さぞもうかるだろうと思われるかもしれませんが、繁殖にどれだけ費用がかかるのかをみれば、利益をだすなど「夢のまた夢」だと言うことがおわかりになるでしょう。
(訳注:以下はアメリカ東海岸の例。1ドル110円で換算。日本の場合、一般的にアメリカよりも物価が高いので、これよりも多く経費がかかると思われます。)

まず、すぐれたショー・タイプの雌猫(繁殖する権利つき)を購入すると、9万円から12万円ぐらいかかります。
雄猫ならばもっと高いことが普通です。
この猫をショーに出して、チャンピオンのタイトルをとるのに5.5万円から22万円ぐらいの費用がかかります。
さらに、もっと上のグランド・チャンピオンやリージョナル・ウィナーのタイトルが取れるまでショーに出すとすれば、最低でも11万円、多ければ200万円以上かかることもあります。
これに加えて、猫一頭一年間につき、食費、砂代などの経費や医療費に約5万円かかります。
ここまでで、雌猫が最初に子猫を生むまでに(一才ぐらいが標準)、すでに何十万円も費用がかかったことになります。
もし、繁殖用の雄猫をもっていなければ、他のブリーダーに依頼する種付料として一回につき5.5万から11万円ぐらいかかります。
これに、生まれた子猫一頭につき2回のワクチン接種費や、子猫が3ヶ月になり新しいオーナーのもとにいくまで手元で育てる諸経費がかかります。

万事順調にことが進んでも、最低これだけの費用がかかるのです。
これに加えて、不慮の事態で、緊急の帝王切開(8万円以上)が必要になることもあります。
場合によっては、これだけ努力しても雌猫が妊娠しないこともあるのです。

このように良心的なブリーダーは、すぐれた猫を選び万全の準備を整えるという、重要な投資を惜しみません。

一方、ペットショップやブリーダーもどきは、スタンダードに沿った猫を親猫として選ぶ、猫をショーに出す、子猫の社会化ができるまで手元におく、猫に十分な医療を受けさせる、といった大切な投資をおこなわずに費用を安くあげた上で、良心的なブリーダーと同様の金額で子猫を販売し、利益を得ているのです。
ペットショップやブリーダーもどきは、一度子猫を譲渡してしまえばそれっきりのことが多いですが、良心的なブリーダーは、子猫を譲渡した後でも積極的に連絡をとろうとするのが普通です。
新しいオーナーから大きくなった子猫の写真が届いたり、猫の様子を連絡してもらえないと、猫のことが心配になるものです。


ブリーダーの家を訪問する

子猫を選ぶ時には、色々と見て回ることをお薦めします。
子猫というのはみんなかわいいものです。
まず、このことをしっかり肝に銘じて、猫を見にいってください。
あまりのかわいらしさに一目ぼれして、冷静な判断力を失ってしまう気持ちは良くわかります。
しかし、これからあなたの家族の一員となり、15年間(できればもっと長い間)一緒に生活するコンパニオンを選ぶのですから、あわてて決めてしまうのは考えものです。
確かに、一目みた子猫がどうしても欲しくなってしまうのは仕方がないことです。
まして子猫の方があなたを気に入ってくれた場合はなおさらでしょう。
子猫は元来すぐれた本能をもっていますから、子猫に選ばれたということは、あなたとその子猫がうまくいくという良いサインとみていいはずです。
しかし、できれば色々とブリーダーの話を聞いて、良く考えて決めることをお勧めします。

ブリーダーの家を訪ねたら、まずは大人の猫達をみせてもらってください。
ブリーダーが繁殖用の雄猫を持っていない場合は、子猫の父猫を見ることはできませんが、母猫には会いましょう。

猫のいる部屋は清潔でしょうか。
猫が10頭もいれば多少猫トイレの匂いがするのは仕方ありませんが、トイレはきちんと掃除されていますか。

餌や水のボールも清潔でしょうか。
もちろん、猫が水をこぼしたり砂を散らかしたりするのは避けられませんが、きちんと目がいきとどいているかどうか見てください。

もし、大人の雄猫がいる場合は、普通は別の場所に分けられているはずです。
雄猫がスプレーをしない場合でも、近親間の交配をさけるために、大人の(避妊していない)雌猫とは一緒にしません。
雄猫の部屋は、スプレー臭がすることもあるでしょうが、息が止まるほどひどい匂いがすることはないはずです。

部屋は、十分に猫が寝て、遊んで、生活できる広さでしょうか。
繁殖用の雄猫は、普通ショーを経験した猫なので、知らない人に会うのは慣れているはずですから、喜んであなたの相手をしてくれるでしょう。
たまに、親愛の情を示すあまりに、あなたの手を軽くかむことがあるかもしれませんが、歯をたてることはないので大丈夫です。
大人の猫達は、そのブリーダーがどのような猫を繁殖しているのかを知る重要な手がかりになります。

人懐っこくて好奇心旺盛な猫かどうかを見てください。
もちろん、中にはシャイな子が何頭かいるかもしれません。
しばらくして猫があなたに慣れてきたら、興味しんしんであなたをチェックしに寄ってくるかみてください。
もし、ほとんどの猫たちが神経質に人を怖がって、ソファーの下に隠れて出てこないようならば、要注意です。

子猫の両親に会ったら、どのような顔つきのメインクーンか見てください。
メインクーンには、甘いマスク(sweet)から精悍な顔つき(feral)と色々と違ったスタイルがあります。
あなたの好みに合った、顔つき、性別、色の子猫を選べば良いのですが、特にこだわりがなければ、あなたのことを気に入ってくれた子猫にするのがお薦めです(さきほど言ったように、子猫の判断力はあなどれませんから)。
ブリーダーによっては、子猫の予約待ちがいっぱいという場合もありますが、あまり色や性別にこだわらなければ、意外と早く猫が手に入るものです。
シルバーの男の子を1年間も待っていたのに、いざ猫を見にいったらブラウンの女の子に気に入られて、結局その子を飼うことになった、というのは実際にあった話です。

次に、子猫がどのような環境で育てられているかを見てください。
猫をケージに入れるのは必ずしも悪いことではなく、ケージが必要な場合もあります。
例えば、母猫によっては、出産後他の猫を警戒して寄せ付けない場合があるので、同時期に生まれた2胎の子猫を分けておくことがあります。
しかし、子猫が母猫だけと隔離された環境で過ごして大きくなった場合、うまく社会化ができない場合もあります。
また、10胎もの子猫がひしめき合っているのは問題です。
子猫の世話はたいへん手間隙がかかるものなので、普通ブリーダーが一度に責任をもって世話ができるのは、せいぜい2−3胎が限度でしょう。
そして、子猫の性格をよく見てください。子猫が生後6週間以内でまだ幼い場合は、ちょっとおどおどしているかもしれません。
10週目になっていたら、きっと猫がまとわりついて離してくれないでしょう。子猫が小さくてまだ性格が良くわからない場合は、子猫の両親がどういう性格かをみて、その子の性格を判断することになります。

ブリーダーは、子猫が10-13週齢になれば、おおよそどのような性格かわかるはずです。
もし、あなたの家庭に、興奮しやすい犬がいる、気の強い先住猫がいる、やんちゃざかりの子供さんがいる、などの事情がある場合は、どうかぜひブリーダーに相談してください。
良心的なブリーダーならば、親身になってあなたのお家にあった性格の猫を選んでくれるはずです。
逆に、ブリーダーが「どの猫もみんな同じですよ」などという場合には、注意が必要です。
ブリーダーに会う時に一番重要なことは、そのブリーダーがこれから長く付き合っていけるような人物かどうかを見極めることです。
新しい家にもらわれていった子猫は、ほとんどの場合すぐに環境に順応し、元気に生活をはじめるものですが、万が一何らかの問題が生じた場合を考えても、お互いに信頼関係の築けるブリーダーを選ばなければなりません。


あなたがそのブリーダーを信頼できるかどうかを良く判断してください。
実際、どの子猫を選ぶかよりも、どのブリーダーを選ぶかの方が重要であるといってもいいほどです。
判断の基準となる重要なポイントは、「ブリーダーの猫(子猫を含めて)が家族の一員として大事にされているか」です。

大人の猫達は、清潔で、健康で、あなたに喜んで会ってくれましたか。
子猫は好奇心一杯で、元気で、人懐っこいですか。
どのブリーダーでも、時々病気になる猫はでてくるものですから、くしゃみをしている猫がいても不思議ではありません。
信頼できるブリーダーならば、何が原因で、どのような治療をしているかを正直に話してくれるでしょう。
逆に、「今まで病気になった猫は一切いません」というブリーダーの方が心配です。


子猫を選ぶには、事前にメインクーンのことを研究し、よく猫とブリーダーを見て、そして最終的にはあなたの直感を信用するしかありません。
もし、少しでも迷ったら、その場で決めないで下さい。


ブリーダーに聞くべき質問

あなたに相応しい子猫を選ぶために、以下のような質問をブリーダーにしてみてください。
いくつか答えられないものがあるのは仕方がありませんが、全く満足に答えが返ってこないようなら、他の人を探すべきです。
何よりも重要なことは、そのブリーダーが喜んで質問に答えてくれるかどうかです。
質問されたことに不快な態度を示すようならば、他をあたるべきでしょう。
良心的なブリーダーならば、事前に準備勉強して色々と質問してくる飼主の方が将来猫を大切にしてくれると考えて、むしろ質問する飼い主を歓迎するはずです。
しかし、最低限の礼儀をわきまえて、まず「今お話を聞かせてもらってもいいですか」と尋ねるといった配慮は必要でしょう。
また、多くのブリーダーはショー・シーズン(9月〜5月)の週末は、ショーに出かけていることが多いので、すぐに連絡がとれなくてもあきらめないでください。留守電にメッセージを残しておけば、ほとんどのブリーダーは、折り返し連絡をくれるでしょう。
もし、自分のところに譲渡できる子猫がいない場合でも、他のブリーダーを紹介してくれるかもしれません。

1.猫をショーに出していますか?キャッテリーを登録されていますか?
信頼できるブリーダーならば、答えは「はい」のはずです。
もちろん、家庭の事情その他で、今はしばらくショーを休んでいるという場合もあります。
しかし、「ショーに出すなんて意味がない」というブリーダーは要注意です。
ショーに出陳することは、チャンピオンなどのタイトルをとるためだけではなく、自分の繁殖する猫のタイプを改善し、ショーの審判員や他の出陳者に自分の猫を評価してもらい、そして他のブリーダーと情報交換をする大切な役目も果たしているのです。
キャッテリー登録も当然されているはずです。キャッテリーの名前は、猫の血統書に書かれた正式名をみればわかります。
たとえば、Stormwatch's Havok of Purrfectionという名前の猫ならば、最初のStormwatchが猫を繁殖したブリーダーの登録キャッテリー名です。
2番目のHavokというのがこの猫の名前で、3番目のPurffectionが猫のオーナーの登録キャッテリー名になります。
もし、ブリーダーとオーナーが同じであれば、of以下の部分はありません。
最初のブリーダーの名前が一番重要で、この猫に一生ついてまわる名前です。
ショーに出陳しているブリーダーから猫を譲ってもらうことをお勧めするもう一つの理由は、ショー・タイプかペット・タイプかは生まれてすぐに見分けがつかないので、すべての猫がショーに出す可能性のある猫として育てられるからです。
つまり、将来のショーに備えて、小さいころからシャンプー、ブラッシング、爪切り、知らない人になれさせるなどの訓練を受けているはずです。
また、一般的に言って、ショーでよい成績を収めた猫は、リラックスした、人見知りをしない性格の猫が多く、その子猫はこういった性格を受け継いでいる可能性が高いからです。

2.血統書をみせてもらえますか?
(訳注:血統書を申請し発行されるまでには時間がかかるので、子猫の血統書はまだ出来ていないこともあります。)
血統書に書かれた猫の先祖の名前をみても、何のことかよくわからないかもしれませんが、少なくとも親子、兄妹などの近親交配かどうかを確認することができます。
良識あるブリーダーでも、間違いの近親交配はおこりえることとで(まだまだ子猫だと思って一緒にしていたら妊娠してしまったケースなど)、必ずしも遺伝的な問題がおきるわけでもありません。
しかし、猫の健康を考えてできるだけ血統が重ならない交配をしようとするはずで、意図的に近親交配を奨励することはありません。
良心的なブリーダーならば、この近親交配は手違いで起こったと正直に話してくれるでしょう。
一方、ブリーダーもどきの場合、多くは自分の繁殖で生まれた猫を手元に残して、その猫を次の交配に使うため、どうしても血縁関係の近い猫どおしの交配が多くなります。
血統書に記載された子猫の親、祖父母、曽祖父母の猫をみると、チャンピオン、グランド・チャンピオンといったタイトルをもった猫がいることがあります。
タイトルがすべてではありませんが、少なくともその猫が何度も審査を受けて一定の評価を得てきた証拠になります。
ただし、猫の協会にはCFAとTICAの2つがあって、それぞれお互いのタイトルを認め合っていません。
従って、その猫がTICAのタイトルをもった猫でも、CFAの血統書では全く無タイトルという可能性もあります。
いずれにせよ、子猫の両親のどちらか一方が、何らかのタイトルをもっていることが望まれます。

3.メインクーンに多い病気はありますか?
「何もありません」という答えは、正しくありません。
どの純血種の猫にもいえることですが、その猫種に特有の遺伝的な問題が存在する場合が多いのです。
ブリーダーは、メインクーンに特有といわれる問題が何で、このような遺伝的な問題を避けるために自分はどのような努力をしているかを、きちんと説明できなければなりません。
「このブリードは全く遺伝上の問題がなく、みんな健康な猫ばかりです」というブリーダーには、要注意です。
試しに「この血統にHeidi Hoはどのぐらい入っていますか」と聞いてみてください。
別に、Heidi Hoの血統に問題があるというわけではありません。
メインクーンが純血種として固定された初期のころに、この血統が何度も繰り返し使われたいきさつがあるため、ブリーダーは自分の猫にHeidi Hoがどのくらい入っているかを意識して繁殖をおこなっていることが普通です。
信頼できるブリーダーならば、専門的な質問に驚くでしょうが、答えてくれるはずです。
ブリーダーもどきの場合は、きっと何の話かわからないでしょう。

4.子猫はいつ譲ってもらえますか?
最低10週齢になっていることが必要で、ほとんどのブリーダーは3ヶ月になるまで子猫を手元におくのが普通です。
特にメインクーンは、比較的ゆっくりと成長する猫種で、より長く母猫の世話が必要です。
子猫が人との絆を育むのは、およそ2−10週齢の時期です。
この大切な時期に、猫が最初に絆をもった人間(すなわちブリーダー)との結びつきを絶ってしまうべきではありません。
また、10週齢になるまでは、十分に免疫システムが発達しておらず、まだワクチンの接種も完了していませんから、新しい環境に移すのは避けるべきです。
あまりにも早い段階で猫を譲渡するブリーダーは、猫の健康や幸せよりも、なるべく早く猫を出して収入を得ることに関心がある可能性が疑われます。

5.子猫は血統登録されるのですか?
答えは当然「はい」のはずです。純血種の猫なのに、血統登録をしないというのもおかしな話です。登録費用も1頭につき1000円強しかかかりません。
ペットとして子猫を譲渡する場合、新しい飼い主が去勢・避妊手術をしたという証明をブリーダーに渡してから、正式の血統書(もしくはブルー・スリップ)が飼い主に渡されるのが普通です。

6.猫の譲渡契約書と健康保証書をもらえますか?
(訳注:日本では、契約書をかわすのは一般的ではありません。ただし、子猫を譲渡する条件を、口頭または文書で確認する場合が多いようです。)
もらえることが普通です。まず、契約の内容を良く確認してください。
ほとんどの場合、猫を外に出さないこと、爪の除去手術をおこなわないこと、ブリーダーの許可なしにショーに出さないこと、去勢・避妊手術をおこなうこと、が条件になっているはずです。
また、ブリーダーの許可なしに他人に猫を譲渡しないこと、何らかの理由で猫を飼いつづけることができなくなった場合には、まずブリーダーが猫を引き取り新しい飼い主を探す権利が生じること、が記載されている場合もあります。
良心的なブリーダーならば、自分の繁殖した猫が捨てられたり、保健所に送られてしまう事態をなんとしても避けたいと思うからです。
健康保証書には、オーナーの権利が記されているはずです。
州によって法律が違いますが、普通、ブリーダーが猫の病気・死亡に責任をもつ期間が明記されています。内容を確認して、疑問に思う点があったらブリーダーに尋ねてください。

7.猫をショーに出してもいいですか?
ショーには時間もお金もかかるものです。
あなたが本気でショーに猫を出したいと思うならば、ほとんどのブリーダーは喜んで色々と手ほどきをしてくれるでしょう。
ショーに初めて参加するならば、まずショー・タイプの猫を購入し、去勢・避妊手術をほどこして、アルター・クラス(去勢・避妊猫クラス)に出陳されることをお薦めします。

8.繁殖用に猫を譲ってもらえますか?
ブリーダーもどきならば、簡単に猫を繁殖権つきで譲渡してくれるでしょうが、これには注意が必要です。
第一に、ブリーダーもどきから購入した猫が、ショー・タイプである可能性はほとんどありません。
第二に、ブリーダーもどきから購入した(おそらくペット・タイプの)猫の相手に、すぐれたタイプの猫をみつけることはほとんど不可能に近いでしょう。
その理由は、真剣に繁殖に取り組んでいるブリーダーは、ブリードの向上のためにタイプの優れた猫を繁殖することを目的にしていますから、自分の雄猫をペット・タイプの猫の相手に貸出したり、自分の雌猫の種付をペット・タイプの雄猫に依頼したりしません。
また、単に「子猫を生ませてみたいから」という理由の人に簡単に繁殖用の猫を譲渡したりしないからです。
第三に、ブリーダーになるためには、良き先生(通常最初に猫を購入したブリーダー)を持ち、他のブリーダーから知識や情報を得ることが必要不可欠です。
ショーや繁殖に関する専門知識を持っていないブリーダーでは、あなたの良き先生にはなれません。
ブリーダーもどきから購入した猫で、あなたも第二のブリーダーもどきになってしまうことだけは避けて欲しいと思います。
もし、あなたが真剣にブリーダーになりたいと考えているならば、まず良識あるブリーダーやショー出陳者と知合い、多くのことを学んでください。
ブリーダーは子猫に囲まれる幸せを体験できる一方で、決して良いことばかりではありません。
どんな悲劇にも毅然として対処できる、強い精神力が必要です。ブリーダーを始める一番良い方法は、優秀なブリーダーを見つけ出し、あなたの良き指導者となってもらうことでしょう。

9.ワクチンを自分で打たれますか?
(訳注:アメリカでは、通販などで誰でも簡単にワクチンや注射器が手に入り、ブリーダーが自宅でワクチン接種をするのが一般的です。 しかし、日本では、ワクチンは獣医師が接種することになっていますから、この質問に対する答えは「いいえ」になります。ワクチン接種の際に、健康診断をおこなうことが多いようです。)
「はい」という答えが返ってくるでしょうが、ちょっと注意が必要です。
ワクチン接種を自宅でおこなうことはごく普通におこなわれていますが、子猫が新しいオーナーのもとに行く前に、少なくとも一回は獣医師の健康診断をうけているべきです。
州によっては、子猫を販売る際に、獣医師の健康証明書をつけることを義務付けているところもあります。
いずれにせよ、獣医師の健康診断を受けてない子猫は避けるべきです。


ブリーダーがあなたに尋ねる質問事項

良心的なブリーダーは、子猫が良い飼主の元で幸せに暮らしてくれることを一番に望んでいます。
従って、あなたがブリーダーの人柄を見極めようとするのと同様に、ブリーダーの方も、あなたの家庭環境について尋ねて、猫が幸せになれる飼主かどうかを判断しようとするはずです。

そこで、
子供はいらっしゃいますか、
他にペットを飼っていらっしゃいますか、
今まで猫を飼われたことはありますか、
お宅の猫は外へいきますか、
かかりつけの獣医師はいらっしゃいますか、
といった質問をするでしょう。
こちらが猫を選びに来たお客なのに、と驚かれるかもしれません。

しかし、ブリーダーにとって子猫は家族の一員であり、子猫の将来を考えればこそ、このような質問をしているのです。
かえって、何も聞かずに簡単に猫を譲渡するブリーダーには、注意するべきでしょう。



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